月が端から欠けていこうが真ん中に穴を開けようが目もくれず、夜もしきりにプログラムを書いていたのは僕だが、Twitterなんかを見てみると、結構な人が月に関心があるものだと意外に感じた。
現実に辟易しているのか、空を見上げてしまうほどに満たされているのか。
自分から見える月を写真に収め、自分のもとにも、誰かの月が流れてくる。
人が繋がりを感じるために、派手なエンターテイメントは必要ないのかもしれない。
ふとそんなことを思った。
変に宣伝を煽ることも、騒ぎ立てることもなく。ただ夜の空に浮かんでいるだけで、地上の僕たちを繋いでくれる存在だと考えれば、月というのはなかなか。
何かを「する」のではなく、ただそこに「あり」続けることの価値。「する」ことで意味を持つものが、時間を重ねるだけ意味を持つ「ある」べきものを淘汰してしまうことの虚しさ。
人間の手には届かない「月」という存在は、いつの時代も人を繋ぎ、また時にはこの星の影に隠れて、僕たちに「あり」続けることの価値を気付かせてくれるのかもしれない。
Written by Shun Muraki. Thank you.